朝7時、遠野ボランティアセンターへ。駅の宿からは徒歩20分ほどだ。安全長靴、防塵ゴーグルにマスク、耐油ゴム手袋、それから水を1リットルほど。前回購入したフル装備だ。
朝のミーティングをし、希望の作業場選んでそれぞれの隊に分かれる。そしてバスで現地へ向かう。僕は陸前高田だ。大規模に津波被害があり最も死者行方不明者の多く出た市。
バスに揺られること1時間半。山をいくつも超え…、本当に交通の便が悪いところだ。陸前高田市のボランティアセンターを途中で見かけたが、個人であそこに行くのはなかなか大変そう。ちゃんと必要な人数が集まっているんだろうか…?遠野ですら募集人数を下回って人手が十分なわけではないのに。
…。
バスが山道を抜け平地に出る。すると、あれが始まる。
スクリーンのように流れる車窓を眺めていると、”始まる”という表現が妥当に感じるのです。異常な光景が。車が、家が、ビルや電信柱、路面が、尋常でない形になって散乱する、それがずっと遠くまで広がる、津波の被害地が、始まる。
僕は決まって、座り直す。身構えるんだ。見逃さないように、聞き漏らさないように、嗅ぎ逃さないように、感覚と想像力を駆使して。
広い。今まで見た中で間違いなく最も広い。遠くに、あの松が見えた。
ほどなく作業現場に到着。小高い丘の上にバスが止まる。線路のすぐそばだ。寸断された線路の。この丘の上にまでも津波は来たらしい。
この辺りは重機での作業が比較的進んでいるらしく、更地と言うか、原っぱみたいな状態が広がっている。何度も言わずにはいれないんだけど、とにかく広い。右も左も、ずーっと被災地だ。広大な草原に、家屋の跡が点々と。
さて、10名ほどずつの小班に分かれ作業に入る。陸前高田隊は、どのくらいかな70~80人くらいだったのかな。ちなみに募集人数を下回っています。
今日の作業はまず、海から数百メートルのところにある、丘の上のお宅の敷地内の瓦礫や漂流物の片づけ。丘の上なのに漂流物。
それから付近の側溝の整理。木に登って枝にひっかかった衣類を取ったりもした。
福島、宮城で数か所現場を経験してるせいか、手際がいいぞ俺…。果敢かつ柔軟。勇みすぎるところのある男だが、出し惜しみする理由があるか。どんどんやろう。瓦礫ひとつ運ぶたびに東北が、この国が復興へ前進する。
一緒の班に消防隊の方が二人。やはり頼もしい。ガタイもいいし手際もいい。班長は、若い。24~25か。もうずっと遠野で活動しているが東北の人じゃないらしい。もともとNPOか何かでアフリカで働いていたが震災後こちらに。8月いっぱいでまたアフリカに戻るんだって。アツいな。
いろんな人間がいろんな気持ちを抱いて、ここに集まっている。毎度思うけれど、ここに来れてよかった。少しでもここに居れて。ここに集まった人間の一人になれて。
陽が出て気温が上がってきた。午後は家屋跡で泥を掬い生活用品を拾う。ガレキとかゴミじゃない。家の中の物は全部、誰かの思い出。
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